もうすぐ「こどもの日」です。
この日が近づくと思い出す話があります。
某新聞に「ひととき」という読者投稿欄があって、ときどき読んでいるのですが、
今からたぶん20年くらい前の投稿で、心に残るものがあり思わず切り抜きしておいたものがあります。
古い話で恐縮ですが、ちょっと紹介します。
******** 以下引用 *******
「私もこどもの日」 滋賀県彦根市 三宅春代 73歳
93歳の母は私に「まずお茶を」と、つえをつきながら台所に立ったが、
重くて無理と分かったのかお茶は持たず、お菓子の鉢を持ってきた。
次におぼつかない足取りで座布団を運んでくる。
部屋から見える新緑の山々、ツツジの朱の点々を見せようと障子を開け放ち、場所を作ってくれる。
昼食のおはしを並べ、義妹の作っておいてくれた料理を置く。
食後に「おなかがふくれると眠いわ」と転がる私に、またつえをついて枕を運び、ひざ掛けを体にかけてくれる。
誰の目もない。母と二人きりだ。
気持ちのゆるみも手伝って、えい、この際思い切り甘えてやれ、
母も動くとリハビリになるやろ、と勝手な解釈をつけて知らん顔を決め込んだ。
73歳でも、93歳の子どもなんだ。たまには甘えるのもかまわないだろう。
「母さん、1週間後の母の日にはこのお返しをしますからね」とつぶやきながら、
私は満ち足りた「こどもの日」を過ごした。
********************
親とはありがたいものですね。
みなさんも、一度子供に返ってみられたらどうでしょう。
勿論、あとのフォローもお忘れなく。
TAMA