「つゆのひぬま」山本周五郎

 

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心に残った短編です。

「つゆのひぬま」とは「露の干ぬ間」

朝露も乾かないほど短い間、ほんのひとときという意味です。

 

深川の小さな娼家で働くおぶん

不幸な過去を持つ良助を客にとります。

 

年かさの娼婦おひろは、労咳の浪人の夫と子供をかかえている、と
自分の身の上話を作り上げ、金をためるのに励んでいます。

 

おひろは、「客との間に真実の愛は育つはずがない」

と言い、またそうなってもならない、と決めています。

 

おひろに言わせれば

「どんなに真実想い合う仲でも、きれいで楽しいのはほんの僅かの間、

露の干ぬまの朝顔、ほんのいっときのこと

なのです。

 

おぶんにそう忠告するのですが、おぶんはそれでも

だんだんと良助を待つようになります。

 

そんな時、大洪水が起き、屋根の上に取り残されたおひろとおぶん。

愛情に不信感を持っていたおひろは、おぶんを助けに来た良助の真実の愛に、打ちのめされるのです。

 

自分の貯めた全財産をおぶんの懐に押し込み、

おぶんを良助の船に乗せ、

「・・・つゆのひぬま・・・と言ったのは取り消してよ」

と、一人屋根に残ります。

 

おひろはこの後どうなるのかもわかりませんが

妙に清々しいのです。

 

人はみな重たい荷物を背負って生きているけれども、

どんな時も人を信じる事を忘れてはいけない

そんなことを感じさせてくれた物語でした。

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このページは、パソコンレンタルe-TAMAYAのスタッフが2020年7月 8日 14:30に書いたブログ記事です。

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